ホルモン療法・放射線治療

放射線治療の方法

2021年10月11日 17時28分



放射線治療には二つの方法があります。
「外部照射」は体の外から放射線を照射します。
「内部照射」は体の内部から、がん細胞やその周辺組織に照射します。
これらを組み合わせる方法もあります。
 
内部照射にもいろいろなアプローチがあります。
例えば、「密封小線源治療」。密封された放射性同位元素を体の中にいれます。
「非密封の放射性元素による治療」。
これは使用する放射性物質が特定の臓器に選択的に取り込まれる特徴を利用します。
カプセルなどにして内服するアプローチです。
 
どういった人たちが放射線治療にかかわるのでしょうか?
いろいろな専門医療職種から構成されるスタッフがチームで取り組みます。
チームの責任者としては「放射線治療医」がなります。
「医学物理士」は放射線量の計算や測定をします。
ベストな照射方法を放射線治療医と一緒に決定します。
「診療放射線技師」は放射線治療医の指示で実際に照射を行う医療スタッフです。
「看護師」は放射線治療をする期間、患者さまとご家族のケアをします。
こういった人たちが協力してチーム医療をします。


 放射線治療の準備と流れ
まずは担当医師から紹介された放射線治療医の診察を受けることから放射線治療がはじまります。
がんの進行具合・患者さまの体調やこれまでの検査や治療内容を検討して、放射線治療が望ましいかどうかを決定します。
放射線治療をする場合の目的や副作用について検討します。
治療する前には治療日数・副作用・期待される治療効果・治療の方法について理解しておきましょう。
 
……治療計画……
CTスキャン・X線シミュレーターや治療計画装置を使用して、がんと周囲の正常組織をキチンと把握します。
それによって、どの箇所にどちらの方向から、どの程度の量を照射することを検討します。
これが治療計画です。
 
正確に放射線を照射しなければなりません。
治療している途中に体が動かないようにする目的で固定具を使用する場合もあります。
患者さまの体の皮膚の表面や固定具にマーキングといって印を付ける作業があります。
皮膚に付けられた印は放射線治療が終わるまで消さないようにしましょう。
 
……放射線の照射……
放射線の照射には「外部照射」と「内部照射」があります。
1番目は「外部照射」です。
マーキングを元にして照射部分を照射します。担当するのは診療放射線技師です。
治療に必要な時間は一般的に治療室に入室してから10分から20分です。
実際に照射される時間は数分程度になります。1週間に5日の治療を数週間続けます。
 
2番目は「内部照射」です。
放射線源の強さによって2種類の治療方法があります。
24時間から一週間にわたって継続的に治療する方法
数分の治療を数回繰り返す方法 
これ以外に針を使って極小の線源を永久的に入れる方法もあります。
がんの場所や性質によって進め方はいろいろです。
 
他の人に放射線が当たらないように特別な部屋ですることもあります。
遠隔操作によって治療に必要な装置を挿入する場合もあります。
照射後はこどもや妊娠中の女性との接触を制限されることもあります。
 
治療している間は定期的に放射線治療医の診察があり、治療効果や副作用を確認します。
予定通りに治療を継続するか判断する目的です。
ケースバイケースでX線検査や血液検査をします。
副作用がある場合は治療をしてゆきます。